友人に終わりを告げた日⑤

夏バテにやられております、サナです( ;∀;)
毎日梅干しの味噌汁を飲んで、微々たるもんですがHPを回復させてます。
沁みる・・・。

さて。1ヶ月ちょっと書き続けてきた「友人に終わりを告げた日」、今回が最終話です。

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数十分を置いて、彼女から返事が返ってきた。
攻撃的なラインが返ってくるかもしれない。
一瞬身構える。

でも、もう私の中では終わりだから。どんな返事が来ても大丈夫。

もう、返さない。

それは静かな決意だった。
今までよりは、冷静に、LINEを開く。

「返事が返ってくるとは思っていなかったので、驚きました」

書き出しは、思いがけず穏やかだった。

「私は、サナさんの温かさに救われた方は沢山いると思っていて、私もその一人です。
だからこそ、サナさんにしか分からない苦しいこともあるのかなと。
優しさに甘えて、無理させてしまっていたことに気づきました。
私が言うのもおこがましいですが、これからはサナさん自身の幸せを最優先に、周りと関わってもらえたらいいなと思います。

私はサナさんと過ごせて楽しかったですし、心強かったです。
ありがとうございました。」

彼女のメッセージは、相変わらず鋭くて熱量があって、そんな彼女はやっぱり魅力的だった。
彼女の良さを、私が潰していたのかもしれないな、とふと思う。
例のごとく、私はまた、ちょっと迷って、ちょっとAIの回答を見直して、そしてそっとLINEを閉じた。

今度は非表示にしなかった。

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最後のラインから3ヶ月がたった。
あれ以来、彼女からの連絡はない。

彼女が私の生活からいなくなって、私はよく眠れるようになった。
長電話をしなくなった。
長文のLINEに戸惑うこともなくて、ゆっくりお風呂に入る日が増えて、何も気にせず夜が終わる。
そして幾分、退屈になった。

彼女との時間はなんだったんだろう。
3ヶ月たった今も、ふと考えることがある。

友情の終わりを教えてくれた、とか。
移り変わる人間関係の儚さを教えてくれた、とか。

そんな言葉でまとめるのが綺麗なんだろうけど、何かを“教えてくれた”とするのは違う気がした。

楽しくて。でもちょっとしんどくて。
そんな時間が、ただただ、そこに、あっただけ。
私の中に残った彼女の “何か”と今後の人生を歩んでいくんだろうと思う。

きっと、時間と共に考えることは少なくなっていく。
数年に1回しか、思い返すことはなくなるのだろう。
もしかしたら、思い出すのはこれが最後になるのかもしれない。

もう1度、彼女からの最後のメッセージを見直す。
そっとリアクションをつけた。
吹き出しの下に、白い顔の絵文字が穏やかな顔で親指を立てた。

これが私なりのピリオド。

いつか彼女が私とのLINEを開いた時に、彼女の中に少しでも優しい気持ちが芽生えますように。

楽しい時間をありがとう。

ご縁があるなら、またいつか。


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<あとがき>

ここまで読んでくれた方がいたら、ありがとうございました。

中々ここまではっきりとした“終わり”を迎えた友情って今まで経験したことがなくて。
自分の感情の整理のために書きました。

彼女のことは、今も嫌いじゃないんだけど、でも今はまだ付き合えないなと思います。

エッセイの最後の“LINEのリアクション”。
つけようと思ったんですけど、実はつけられませんでした。
メッセージが送られてから7日間しか、つけられないんですね。

リアクションと言うピリオドをつけられなかったせいか、私の気持ちは、どこか宙ぶらりんで、だからこそ、このエッセイを書こうと思い立ったのかもしれません。

もし今「楽しいけどちょっとしんどい」。
そんな人間関係に悩んでる人がいて、力になれたら嬉しいです。

サナ
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友人に終わりを告げた日①
友人に終わりを告げた日②
友人に終わりを告げた日③
友人に終わりを告げた日④