こんにちは。
人生で大事なことは、NANAとあゆが教えてくれました。サナです。
私はですね、矢沢あい先生の作品ではダントツで「パラダイスキス」が好きなんですよ。
通称「パラキス」です。
どこが好きかって、既定路線を裏切り続ける怒涛のラスト。
高校生だった私を困惑させた、あの作品。久々に読んだので熱く語らせてもらおうじゃないの。

▲出会ってから8回引っ越したけどずっと連れて行ってる
**ここからネタバレあり**
高校生の私を困惑させた、第一の理解不能ポイント。
主人公の紫は、ヒーローである彼氏のジョージと、最終話を前にして別れます。
しかも自然消滅じゃなくて、自分の意思で。
モデルを目指す紫と、デザイナーを目指すジョージ。
ジョージは高校卒業後フランスに行くと宣言して「一緒にくる?」って聞くんですよ。
そんなの「はい喜んで」一択だと思うじゃん。
ところが紫は言うんです。

「行かない」?!?!?!
なぜ?!パリでモデルを目指せばいいじゃない!!
さらにその言葉を受けたジョージの一言がこれ。

「正しい選択だな」
なぜ・・・?!?!?!
え、これでいいの?!結局二人ともまだ強がってない?!
大人ぶって大丈夫?
このあと一生引きずるやつじゃん?!
と思いながら読み進めると、第二の理解不能ポイント。
時は流れ、大人になった紫は憧れてた相手、徳森くんと婚約。まもなく結婚するそうです。
うん、現実的な落とし所。良かったじゃん。
と思ったのも束の間。
新婚旅行はアメリカに行くと。
何をするかって?ジョージ(元彼)が衣装を手がけるブロードウェイのミュージカルを見に。
「え?!元彼は記憶と携帯から抹消してちょっと気まずくなるのが定番では?!」
「元彼の舞台を、今彼と見にいく心理とは?!どういう?!」
「そして今彼もそれを全て容認している?!」
なぜ・・・?
え?!おしゃれ漫画すぎて分かんない!!
大人になるってこういうこと?!
当時高校生だった私には意味不明すぎましたが、
その1つ1つのシーンとセリフは、私の心に強烈な引っ掛かりを残しました。
そして、ことあるごとに問いかけてくるのです。強烈な問いを。
「ハッピーエンド以外の恋は、何もなかったことになるのか?」
そう、紫にとってジョージは大きな存在です。
モデルという夢に出会わせてくれた。
自分の意志で人生を選ぶことを教えてくれた。
別れたとしても、ジョージと出会って生まれた価値観は消えないんですよね。
自分の人生に刻まれてしまったんです。
紫の人生史を綴るとしたら、ジョージ前/ジョージ後に別れるでしょう。
上手くできてるなぁと思ったのは、結婚相手の徳森くんも、好きになったのは“ジョージ後の紫”って点。
一方、ジョージが全てを手に入れたのかというと、そうではない。
この、ジョージが「ブロードウェイのミュージカルで衣装を手がける」ってオチも好きなんですよね。
パリコレとか、大衆向けブランドで成功して“誰もが知るデザイナー”になったわけじゃない。
あの時、紫という1人の人間の人生を変えるほどのインパクトを与えた人間が、分かりやすい〝成功〟を掴んだわけではない。
ここでまた問いかけられる。
「他人から認められる成功が、人生の価値なのか?」
やけに現実的な折り合いを見せるエンド。
ジョージも紫も、夢が叶ったわけじゃない。
当時好きだった人と結ばれてるわけじゃない。
だけど2人とも不幸そうじゃない、むしろ満たされているように見える。
人生って、満額回答だけが正解じゃない感じ?
大人になれば、自分だけの幸せ、身の丈にあった幸せを見つけられるのかもしれない。
むしろ、それを見つけられることが、大人になるってことなのかもしれない。
大人になるにつれ、何となく見えてきた答え。
・・・なんだけど。
パラキスが私に教えてくれたにも関わらず、私は今でも満額回答に近づきたいってもがいてる。
答えが分かることと納得することは、また別の話のようだ。
だって私は今も分かりやすい成功が欲しくて、ブログを書いたり曲を作ったりキャラクターを生み出したりしている。
大人への道はまだまだ遠そうだ。
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